Chrome 41 Betaのデフォルト日本語フォント

Windows

最近、というほどでもありませんが、デバイスフォント(OSなどにインストールされているフォント)を多用したサイトが増えています。その際、Windowsではメイリオ(Meiryo)を指定することも多いと思いますが、Chrome 41 Betaでは、デフォルトの日本語フォントがメイリオに変わりました。

Windowsブラウザーでは、sans-serifのデフォルト日本語フォントとして長らくMS Pゴシック(MS PGothic)が使われてきましたが、その状況は変わりつつあります。

Internet Explorer 11では

  • CSSによるフォント指定がなければ、MS Pゴシック
  • CSSのsans-serifは、メイリオ

が使われています。

Google Chromeも41 Beta Channelで

が使われるように変更されました。

Chrome 41 Betaの変更はIE 11の変更よりもドラスティックで、フォント指定が一切ないページ、例えば、@ITのメイリオの記事なども影響をうけます。このページはIE 11ではMS Pゴシックで表示されますが、Google Chromeで 41 Betaではメイリオで表示されます。

メイリオには、

  • イタリック体のグリフがない(日本語)
  • line-heightが未指定もしくはnormalの場合、行の高さがMS Pゴシックよりも大きくなる

といったクセがあります。ちなみに、游ゴシック(Yu Gothic)はメイリオよりも行の高さが大きいです。

デフォルトフォントの変更でサイトが壊れた場合には、課題を登録したりフォーラムに投稿したりすると良いと思いますが、HTML5 ConferenceでGoogleの及川さんがTwitterや技術ブログなども見ている、とおっしゃっていましたので、それでもいいかもしれません。

なお、Google Chromeでのデフォルトフォントの変更が上手くいけば、Mozilla Firefoxでもデフォルトフォントが変更されるかもしれません(し、されないかもしれません)。

個人的にメイリオに対するこだわりはありませんが、日本語デバイスフォントの種類が限られている中で、制作者CSSに具体的なフォント名を書く必要はないんじゃないかと思っています(デバイスフォントを指定する場合の話)。制作者がfont-family: "Hiragino Kaku Gothic ProN W3", Meiryo, sans-serif;と書くのではなく、font-family:sans-serif;だけで済むようになってほしい、ということです。そうなれば、ユーザーのフォント設定がページに反映されやすくなり、メイリオが嫌な人は自分で設定を変えれば良い、という時代が来るかもしれません。

OS X

蛇足ですが、OS Xのデフォルトフォントにも触れておきたいと思います。OS Xでは、SafariFirefoxはデフォルトフォントにヒラギノ角ゴシックProNを使っていますが、Chromeヒラギノ角ゴシックPro(Nが付かない)を使っています。ProNとProでは漢字の字形がいくつか異なるため、「葛飾」の「葛」がSafariFirefoxでは新しい字形で表示され、Chromeは古い字形で表示される、といったことが起きています。こちらも上手く統一されないかなと思います。